Forms Server for Windows and UNIX
Formsアプリケーション Web利用ガイド
リリース6i

J00496-01

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目次

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インストールおよび構成時の選択肢の概説

3.1 概要

この章では、Forms Serverのインストール時に表示されるオプションを説明します。インストールの選択項目には次のようなものがあります。

3.2 自動または手動構成

Forms Serverのインストール時に、Oracle Installerによりサーバーを自動構成するか、手動構成するかのいずれかを選択できます。

3.2.1 サーバーの自動構成

Oracle Installerを使用すると、ユーザーは以前のリリースでは必要であった時間のかかる構成作業を行わずに、Forms Serverをインストールできます。Oracle Installerによってほとんどの構成定義がインストレーションの一部として自動的に行われます。さまざまな構成定義がデフォルトとして用意されており、1台のマシン構成でインストールすることも、ロード・バランスを使用する複数マシン構成でインストールすることもできます。

Oracle Installerを使用してサーバーを自動的に構成する場合は、第4章「クイック・スタート構成のステップ」を参照してください。

3.2.2 サーバーの手動構成

手動構成は次の場合に適しています。

Forms Serverを手動で構成する詳細は、第5章「Forms Serverの構成」を参照してください。

3.3 ソケット、HTTPまたはHTTPS

Forms Serverはアプリケーションを配置するのに3つのモードを使用できます。

ユーザー固有のネットワーク環境に最適なForms Serverの実装についての詳細は、9.3項「ネットワーク環境におけるForms Serverの配置」を参照してください。

3.3.1 ソケット

他の多くのインターネット・ベースのテクノロジと同様に、Forms Serverは当初、ソケットを使用して通信するよう設計されました。ソケットはTCP/IPに対する標準のプログラミング・インタフェースです。

ソケットがどのようなものかは、ネットワーク上で通信するプログラムのナンバリング・システムを想像してもらえば一番簡単です。一般にこれらのプログラムは共通のソケット番号を共有する、クライアント部分とサーバー部分があります。サーバーはクライアントからのリクエストを共通のソケット・ポートでリスニングします。プログラムのクライアント部分とサーバー部分間の通信は、通称ソケット接続で行われます。

ソケットの代表的な使用例を示します。クライアントが標準以外のポート番号(たとえば、http://www.xyz.com:9000)を持つURLにリクエストを送信します。これはクライアントのブラウザがソケット番号9000へ接続しようとすることを意味します。また、これはポート9000上で接続をリスニングするサーバーがwww.xyz.com上で稼働されていることも意味します。

ソケット・モードでの配置は効率的で簡単に使用できます。Forms Serverはネットワーク化されたホスト・マシン上で稼動し、ユーザーのマシン上で実行されるJavaクライアントからの接続を、特定のソケット上またはポートでリスニングします。このメソッドが機能するには、クライアントおよびサーバーのマシンがネットワーク上でお互いを識別できるか、通信できる必要があります。このモードではサーバー側でプロキシを使用できません。

注意:

サーバー側のプロキシとは、インターネットに接続またはサービスを提供するときに、サーバー・ソフトウェアを稼動させているマシンを不明または匿名にしておくメソッドです。これはクライアントには認識されずに、サーバーに対する権限のないアクセスを拒否するために使用されるセキュリティ機能です。

サーバーとクライアントが、インターネットなどの安全を保障されていないネットワークで分断されている場合は、ソケット・ベースでの配置は厳格なセキュリティを意味する可能性があります。

3.3.2 HTTP

HTTPモードでは同じくソケット接続を介して通信が確立されますが、この場合はHTTPソケット接続になります。Forms Serverはソケットによる独占接続ではなく、JavaクライアントからのHTTP接続をリスニングします。Forms ServerとJavaクライアント間のすべての内部メッセージが、HTTPパケット内にカプセル化されます。

HTTPソケット接続では、サイトのクライアントとサーバー間でファイアウォールを通した安全な通信を実現します。HTTP通信のみを許可するサイトは、構成をまったく変更しないかほとんど変更せずに既存のファイアウォールを通してFormsアプリケーションを配置できます。プロキシが使用されているという事実、はクライアントには完全にわかりません。クライアントから見ると、Forms Serverに直接接続しているのと変わりありません。

ファイアウォールが存在する場合は、ソケット・モードは機能しません。ファイアウォールを通したソケット・モード接続が機能するには、Forms Serverによって使用される特定のソケットまたはポートが開かれていて、ファイアウォールで使用可能になっていることが必要ですが、その場合は開かれたソケットの場所を突き止めるトラフィックにネットワークがさらされることになります。これではファイアウォールに穴が開けられ、その目的が本質的に損なわれます。

HTTPはインターネット上にアプリケーションを配置するために最もよく使用されるプロトコルです。企業はファイアウォールをロックしてHTTP通信のみを許可することで、プライベート・ネットワークのセキュリティを大幅に強化できます。ファイアウォールを提供している企業の多くは、その製品でHTTP標準をサポートしており、多くの企業は保有するプライベート・ネットワークの中をHTTP通信が行きかうことを好意的に認めています。

3.3.3 HTTPS

HTTPSモードでは通信は、3.3.2項「HTTP」に説明があるように、HTTPソケット接続を介して確立されます。ただし、HTTPSではSSL(secure sockets layer)も実装されます。

Forms ServerではSSLをトランスポート・プロトコルとして使用し、機密性、整合性およびサーバー認証を提供できます。SSLは、アプリケーション・レベルの1つ下のレベルである、転送レベルで動作します。これはTelnet、FTPおよびHTTPなどのアプリケーションレベルのプロトコルでメッセージが処理される前に、SSLでメッセージの暗号化と複合化ができることを意味します。

HTTPSモードの使用を決定したときは、証明書リクエストの作成と管理のために、Oracle Wallet Managerのインストールが必要になります。詳細は 5.5項「HTTPS接続モード設定の追加ステップ」 を参照してください。

3.4 Oracle JInitiatorまたはAppletViewer

ユーザーはブラウザ(Netscape NavigatorまたはInternet Explorer)を、Oracle JInitiatorプラグインまたはAppletViewerのいずれかと組み合せて、アプリケーションを参照できます。Oracle JInitiatorの使用をお薦めします。

3.4.1 Oracle JInitiator

Oracle JInitiatorはWebブラウザ内で実行され、Oracle FormsアプリケーションをWeb上で参照するのにお薦めします。ブラウザのデフォルトのJVMではなく、クライアント上の特定のJava仮想マシン(JVM)を使用するように指定する機能が提供されます。Oracle JInitiatorはブラウザによって提供されるデフォルトのJVMを、置き換えたり変更せずに、代替のJVMをプラグイン形式で提供します。かわりに、プラグインのフォームで代替のJVMが提供されます。

Oracle JInitiatorはJavaソフトウェア・プラグインのオラクル社版です。これはNetscape Navigatorではプラグインとして実行され、Internet ExplorerではActiveXコンポーネントとして実行されます。

Oracle JInitiatorの構成と配置には、いくつかの指定が必要です。詳細は、付録B「Oracle JInitiator」を参照してください。

3.4.2 AppletViewer

ユーザーはAppletViewerを使用してもアプリケーションを参照できます。AppletViewerはJava Developer Kit (JDK)コンポーネントの1つで、クライアント・マシンで使用して、Forms Server上で実行されるアプリケーションを参照できます。

AppletViewer内でアプリケーションを実行するにはいくつかの指定が必要です。アプリケーションをAppletViewerで実行する詳細は、付録C「AppletViewer」を参照してください。

3.5 ロード・バランス

Forms Serverには、1人から数千人までのユーザーに比類のないパフォーマンスを提供するために、ハードウェアのリソースを最適化するためのロード・バランス機能が含まれています。ロード・バランスを使用すると、ハードウェアの限界に近づいたときにマシンのアップグレードや交換をしなくても、単にアプリケーションを実行するマシンを追加して負荷をいくつかのマシン間に分散することで解決できます。

ロード・バランスのインプリメントに関する特定の情報は、第12章「ロード・バランスに関する考慮事項」を参照してください。

3.6 Oracle WebDB Listener

Oracle FormsアプリケーションをWeb上で実行するには、Forms Serverに加えてWebリスナーが必要です。次の中から選択できます。

便宜のために、CGI (Common Gateway Interface)をサポートし、システム負荷の少ないWebリスナーである、Oracle WebDB ListenerがForms Serverとともに提供されています。Oracle WebDB Listenerは、Forms Serverとともに提供されるOracle Installerを使用してインストールおよび構成ができます。

別のWebリスナーをすでに使用し、そのリスナーを引き続き使用する場合やOracle Application Serverを使用している場合は、WebDB Listenerを使用しないように選択できます。Forms Serverは、Microsoft IIS、ApacheまたはLotus DominoなどのCGIをサポートする、任意のWebリスナーで作動します。インストレーションの完了後、Webリスナーのいくつかの仮想パスを構成して、Forms Serverで使用できるようにする必要があります。作業手順の指示がインストレーション時に生成されます。

WebDB Listenerのインストールに関する詳細は、付録D「Oracle Installerリファレンス」を参照してください。

3.7 次のステップ

インストール時の選択肢を決定後、必要なForms Serverコンポーネントをインストールし構成できます。Oracle Installerを使用してForms Serverを自動的にインストールし構成する場合は、第4章「クイック・スタート構成のステップ」を参照してください。Forms Serverを手動でインストールし構成する場合は、第5章「Forms Serverの構成」を参照してください。


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