Forms Server for Windows and UNIX
Formsアプリケーション Web利用ガイド
リリース6i

J00496-01

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目次

索引

B
Oracle JInitiator

B.1 概要

この付録では、Oracle JInitiatorをユーザーのWebブラウザのプラグインとして使用する利点について説明します。ユーザーはOracle JInitiatorを使用すると、Netscape NavigatorまたはInternet Explorerを使用してForms Serverアプリケーションを実行できます。ブラウザのデフォルトのJVMではなく、クライアント上の特定のJava仮想マシン(JVM)を使用するように指定する機能が提供されます。

Oracle JInitiatorは、Netscape Navigatorのプラグイン、およびInternet ExplorerのActiveXコンポーネントとして実行されます。Oracle JInitiatorはブラウザによって提供されるデフォルトのJVMを、置き換えたり変更せずに、代替のJVMをプラグイン形式で提供します。かわりに、プラグインのフォームで代替のJVMが提供されます。

B.1.1 Oracle JInitiatorを使用する理由

Oracle JInitiatorでは、Webブラウザを使用して透過的に起動できる、保証されサポート可能なJava Runtime Environment(JRE)がクライアントのデスクトップに提供されます。

Oracle JInitiatorは、JavaSoftのJava Plug-inのOracleバージョンです。JavaSoft Plug-inは、ブラウザ内から起動できるJavaSoft JREの配布メカニズムです。また、Oracle JInitiatorでは、Oracleが保証したJREの配布メカニズムが提供されます。これにより、Forms Developerアプリケーションを安定しサポートされた方法で、ブラウザ内から実行できます。

Oracle JInitiatorでは、Forms Developerアプリケーションを実行するために保証されたプラットフォームが提供されるのみではなく、標準JavaSoft Java Plug-inの他に多くの追加機能も提供されます。これらの機能には、JARファイルのキャッシュ書込み、増分のJARファイルのロード、およびアプレットのキャッシュ書込みが含まれます。

B.1.2 Oracle JInitiatorの利点

Oracle JInitiatorには次の利点があります。

B.2 Oracle JInitiatorの使用方法

クライアントのブラウザがOracle JInitiatorの使用が指定されたHTMLファイルを最初に見つけたとき、Oracle JInitiatorはアプリケーション・サーバーからクライアント・マシンに自動的にダウンロードされます。これにより、Windows 95およびWindows NT 4.0プラットフォーム上のNetscape NavigatorまたはInternet Explorer内でFormsおよびGraphicsアプリケーションを直接実行できます。

Oracle JInitiatorは、ブラウザによって提供される標準プラグイン・メカニズムを使用してインストールおよび更新されます。Oracle JInitiatorのインストールでは、Forms Developerアプリケーションを信頼されたアプレットとしてOracle JInitiator環境で実行するために必要なステップが実行されます。

B.2.1 サポートされる構成

Oracle JInitiatorでは、次の構成がサポートされています。

  Internet Explorer 4.0  Internet Explorer 5.0  Navigator 4.0  Navigator 4.5 

Windows 95 

○ 

○ 

○ 

○ 

Windows NT 

○ 

○ 

○ 

○ 

B.2.2 システム要件

Oracle JInitiatorの最小システム要件を次に示します。

B.2.3 Netscape NavigatorでのOracle JInitiatorの使用方法

Oracle JInitiatorでは、QuickTimeムービーまたはShockwaveアニメーション機能など他のプラグインと同様にブラウザ内で実行できるように、Netscape Navigatorプラグイン・アーキテクチャが使用されています。Webアプリケーション開発者はNetscape HTML <EMBED>タグを使用して、プラグインをWebページの一部として実行するように指定できます。これにより、ユーザーの介在を最小にして、Oracle JInitiatorをWebブラウザ内で実行できます。

NavigatorがOracle JInitiatorの使用が指定されたHTMLページを最初に見つけたとき、Oracle JInitiatorダウンロード・ページを指示するHTMLページに"Plug-in Not Loaded"ダイアログが表示されます。続いて、各オペレーティング・システム用のOracle JInitiatorバージョンをダウンロードし、インストールできます。

Oracle JInitiatorのインストール後、Navigatorをシャットダウンして、再起動します。続いて、元のHTMLページを再び表示します。Oracle JInitiatorはアプレットを解放するために、<EMBED>タグ内のパラメータを実行および使用します。NavigatorがOracle JInitiatorの使用が指定されたWebページを次に見つけたとき、ユーザーが介在することなく、Navigatorはプラグインをローカル・ディスクから透過的にロードおよび実行します。

B.2.4 Microsoft Internet ExplorerでのOracle JInitiatorの使用方法

Oracle JInitiatorはMicrosoft Internet Explorer拡張メカニズムを使用して、ActiveXコントロールおよびCOMコンポーネントのダウンロードおよびキャッシュ書込みを行います。Webアプリケーション開発者はHTML <OBJECT>タグを使用して、ActiveXコントロールまたはCOMコンポーネントをWebページの一部として実行するように指定できます。このようなコンポーネントにはOracle JInitiatorが含まれます。

Internet ExplorerはOracle JInitiator使用を指定するように変更されたHTMLファイルを最初に見つけたとき、オラクル社によってVeriSignデジタル署名が行われたActiveXコントロールをダウンロードするかどうかをユーザーに確認します。「はい」をクリックすると、Internet ExplorerはOracle JInitiatorのダウンロードを開始します。Oracle JInitiatorが実行され、アプレットの内容を表現するために<OBJECT>タグ内のパラメータが使用されます。Internet ExplorerがOracle JInitiatorをサポートするように変更されたWebページを次に見つけたとき、ユーザーが介在することなく、Oracle JInitiatorをローカル・ディスクから透過的にロードおよび実行します。

B.2.5 Oracle JInitatorプラグインの設定

Oracle JInitatorプラグインを設定するには、次の手順を実行します。

B.2.5.1 Oracle JInitiatorマークアップのベースHTMLファイルへの追加

Oracle JInitiatorマークアップをベースHTMLファイルに追加するには、次の手順を実行します。

  1. ベースHTMLファイルをテキスト・エディタでオープンします。

  2. OBJECTおよびEMBEDタグを追加します。

    追加マークアップの例はB.2.7項「ベースHTMLファイルのOracle JInitiatorタグ」を参照してください。

B.2.5.2 Oracle JInitiatorのWebサーバーへのインストール

Oracle JInitiatorをサーバーにインストールすると、アプリケーションを顧客のために配置する前に、構成をテストおよび改善できます。これは必須のステップではないことに注意してください。これは、ローカル・システム・テストのみに役立ちます。

Oracle JInitiatorをWebサーバーにインストールするには、次の手順を実行します。

  1. jinit11711.EXEをダブルクリックします。

  2. インストール手順に従ってください。

B.2.5.3 Oracle JInitiatorダウンロード・ファイルのカスタマイズ

Oracle JInitiatorのダウンロード・ファイル(JINIT_DOWNLOAD.HTM)は、ユーザーがOracle JInitiatorファイルをダウンロードできるテンプレートHTMLファイルです。

Oracle JInitiatorダウンロード・ファイルをカスタマイズするには、次の手順を実行します。

  1. JINIT_DOWNLOAD.HTMファイルをHTMLまたはテキスト・エディタでオープンします。

  2. 必要に応じてテキストを変更します。

  3. 変更を保存します。

B.2.5.4 Oracle JInitiatorをダウンロード可能にする

Oracle JInitiatorをダウンロード可能にするには、次の手順を実行します。

  1. jinit11x.EXEをWebサーバーにコピーします。

    jinit11x.EXEは、ベースHTMLファイル内で指定された位置にコピーする必要があります。

  1. JINIT_DOWNLOAD.HTMをWebサーバーにコピーします。

    JINIT_DOWNLOAD.HTMは、ベースHTMLファイル内で指定された位置にコピーする必要があります。

B.2.6 Oracle JInitiatorプラグインの変更

Oracle JInitiatorプラグインを変更するには、次の手順を実行します。

B.2.6.1 Oracle JInitiatorキャッシュ・サイズの変更

Oracle JInitiatorのキャッシュ・サイズを変更するには、次の手順を実行します。

  1. 「スタート」メニューで、「スタート」「プログラム」「Oracle JInitiator」「Control Panel」を選択します。

  2. Basic」タブをクリックします。

  3. 「Java Run Time Parameters」フィールドで、Dcacheサイズを指定します。たとえば、Dcache.size=20000000と指定すると、キャッシュ・サイズは20MBに設定されます。

Oracle JInitiatorのデフォルト・キャッシュ・サイズは20000000です。これはOracle JInitiatorのインストール時に自動設定されます。

B.2.6.2 Oracle JInitiatorヒープ・サイズの変更

Oracle JInitiatorのヒープ・サイズを変更するには、次の手順を実行します。

  1. 「スタート」メニューで、「スタート」「プログラム」「Oracle JInitiator」「Control Panel」を選択します。

  2. Basic」タブをクリックします。

  3. 「Java Run Time Parameters」フィールドで、mxサイズを指定します。たとえば、mx64mと指定すると、最大ヒープ・サイズは64MBに設定されます。

Oracle JInitiatorのデフォルト最大ヒープ・サイズは64MBです。これはOracle JInitiatorのインストール時に自動設定されます。

B.2.6.3 Oracle JInitiator出力の表示

Oracle JInitiator出力を表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「スタート」メニューで、「スタート」「プログラム」「Oracle JInitiator」「Control Panel」を選択します。

  2. Basic」タブをクリックします。

  3. デバッグ出力を使用可能にするために、「Show Java Console」チェックボックスをオンにします。

B.2.7 ベースHTMLファイルのOracle JInitiatorタグ

この例では、Microsoft Internet ExplorerおよびNetscape Navigator用のOracle JInitiatorマークアップを示します。これらのタグをベースHTMLファイルに追加すると、NetscapeおよびMicrosoftのブラウザ内でアプリケーションを実行できます。

     <HTML>
     <BODY>
     <P>
     <OBJECT classid="clsid:9F77a997-F0F3-11d1-9195-00C04FC990DC"
     WIDTH=600
     HEIGHT=480
     codebase="http://acme.com/jinit11711.exe#Version=1,1,7,11">
     <PARAM NAME="CODE" VALUE="oracle.forms.engine.Main" >
     <PARAM NAME="CODEBASE" VALUE="/forms60code/" >
     <PARAM NAME="ARCHIVE" VALUE="/forms60code/f60all.jar" >
     <PARAM NAME="type" VALUE="application/x-jinit-applet;version=1.1.7.11">
     <PARAM NAME="serverPort" VALUE="9000">
     <PARAM NAME="serverArgs" VALUE="module=order.fmx">
     <PARAM NAME="serverApp" VALUE="default">
     <COMMENT>
     <EMBED type="application/x-jinit-applet;version=1.1.7.11"
     java_CODE="oracle.forms.engine.Main"
     java_CODEBASE="/forms60code/"
     java_ARCHIVE="/forms60code/f60all.jar"
     WIDTH=600
     HEIGHT=480
     serverPort="9000"
     serverArgs="module=order.fmx"
     serverApp="default"
     pluginspage="http://acme.com/jinit_download.htm">
     <NOEMBED>
     </COMMENT>
     </NOEMBED></EMBED>
     </OBJECT>
     </BODY>
     </HTML>

B.3 Oracle JInitiator FAQ

次の項では、Oracle JInitiatorに関してよく聞かれる質問について詳しく説明します。

B.3.1 保証および可用性

Oracle JInitiatorはいつから利用可能ですか?

カスタムOracle Developerアプリケーションの配置のためにForms JInitiatorは1998年9月から利用可能です。Oracle Applicationsでは、1999年2月からOracle JInitiatorの保証を行っています。

Oracle JInitiatorはどのようにして配布されるのですか?

Developerリリース6.0から、Oracle JInitiatorはForms Developerの配布CDに収録されています。Oracle JInitiatorは、Oracle Webサイト、http://www.oracle.co.jp/download/index.htmlからダウンロードすることもできます。Oracle JInitiatorの更新情報は、オラクル社カスタマ・サポートからも入手できます。

Oracle JInitiatorはWindows以外のプラットフォームで動作するようになりますか?

オラクル社では現在、Oracle JInitiatorをMicrosoft Windows以外のプラットフォームに移植する予定はありません。ただし、弊社はForms DeveloperアプリケーションをMicrosoft Windows以外のプラットフォームで実行するためのサポートおよび保証を行うため、多くのハードウェア・ベンダーと密接な関係を築いています。

Oracle JInitiatorは、Netscape NavigatorおよびInternet Explorerのどのバージョンで保証されていますか?

各Oracle JInitiatorリリースの最終品質保証テスト時に、Oracle JInitiatorはこれらのブラウザの最新リリースに対して保証されます。オラクル社は、これらのブラウザの旧リリースについてもサポートを行う予定です。保証されるブラウザのバージョンの詳細は、Oracle JInitiatorリリースの添付ドキュメントを参照してください。

JavaSoft Java Plug-inとOracle JInitiatorの違いは何ですか?

主な違いは、Oracle JInitiatorにはOracleが保証するJREが含まれているのに対し、JavaSoft Java Plug-inはJavaSoft JDKリファレンス・インプリメンテーションに同梱されることです。JavaSoftのインプリメンテーションは、Forms Developerアプリケーションで保証されていません。Forms DeveloperではJREに極度の要求が行われるので、弊社はJavaSoftのJREを厳しい条件下で実行できるように変更しました。

オラクル社はJavaSoftに対して、拡張機能の追加を依頼していますが、JavaSoftが新規バージョンに拡張機能を組み込むことを待てません。

JavaSoft Plug-inは、ブラウザ内から起動できるJavaSoft JREの配布メカニズムです。また、Oracle JInitiatorでは、Oracleが保証したJREの配布メカニズムが提供されます。これにより、Forms Developerアプリケーションを安定しサポートされた方法で、ブラウザ内から実行できます。

オラクル社はOracle JInitiator製品を管理しており、製品を完全にサポートしています。オラクル社のお客さまには、オラクル社カスタマ・サポートから、アプリケーションをサポートするために必要な適切なレベルのサポートが提供されます。

Oracle JInitiatorでは、Forms Developerアプリケーションを実行するために保証されたプラットフォームが提供されるのみではなく、標準JavaSoft Java Plug-inの他に多くの追加機能も提供されます。これらの機能には、JARファイルのキャッシュ書込み、増分のJARファイルのロード、およびアプレットのキャッシュ書込みが含まれます。

なぜ、OracleはJavaSoftが提供するJREを使用しないで、特定のJREを保証し配布するのですか?

Forms Developerはコンピュータ化へのコストを削減する方法として、サーバー・ベースの配布に移行するお客さまに対応してきました。また、ビジネスに必要な既存アプリケーションへの投資を保護する必要性を認識しています。

お客さまにJavaの一意な要求が行われるJavaプラットフォームで、特に与えられたアプリケーションが大規模で複雑であっても、完全に変更のない既存のアプリケーションの実行機能を提供します。

JavaSoft Java Plug-Inを使用してForms Developerアプリケーションを実行できますか?

JavaSoft Plug-Inを使用してForms Developerアプリケーションを配置することは保証されていません。したがって、これはサポートされる配置構成ではありません。現在、Oracle JInitiatorによって提供されるJREには、JavaSoftによって提供されるJREではまだ使用できない多くの拡張機能が組み込まれています。さらに、オラクル社は、オラクル社カスタマ・サポートを通してOracle JInitiatorを完全にサポートしています。

オラクル社ではネイティブ・ブラウザ配布をサポートする予定はありますか?

ネイティブ・ブラウザ・サポートを行う際の主な問題は、Forms Serverが必要とするJavaの同じバージョンおよび品質レベルをサポートするために、ブラウザ・ベンダーおよびプラットフォーム提供者に依存する必要があることです。オラクル社はこの依存があるため、お客さまが必要とする期間にネイティブ・ブラウザの配布を、配布オプションとして保証できませんでした。したがって、弊社はOracle JInitiatorをインターネットによるアプリケーション配布方法として完全に保証しています。これにより、Forms Serverアプリケーションを利用するプラットフォームの安定性およびサポートが保証されます。

B.3.2 サポート

誰がOracle JInitiatorのサポートを提供するのですか?

オラクル社がオラクル社カスタマ・サポートを通してOracle JInitiatorを完全にサポートします。

Oracle JInitiatorはForms Developer Serverのどのバージョンをサポートしていますか?

Oracleは、クライアント上でOracle JInitiatorを実行するForms Serverリリース1.6以降をサポートします。

Oracle JInitiatorはOracle Applicationでサポートされていますか?

はい。Oracle Applicationグループでは、Netscape Navigator 4.06以降およびMicrosoft Internet Explorer 4.0以降でOracle Applicationを実行する場合、Oracle JInitiatorの使用が保証されています。

B.3.3 インストール

Forms DeveloperアプリケーションをWebブラウザで実行するために、クライアント上に何をインストールする必要がありますか?

ブラウザがOracle JInitiatorを必要とするHTMLページを最初に見つけたとき、Oracle JInitiatorはNetscape NavigatorおよびMicrosoft Internet Explorerによって提供される標準ブラウザ拡張メカニズムを使用して、自身をクライアント・マシンに自動的にダウンロードできます。続いて、プラグインまたはActiveXオブジェクトの追加に必要なメソッドを使用して、Oracle JInitiatorは現在使用しているブラウザにインストールされます。

クライアントにダウンロードされるOracle JInitiatorはどの程度の大きさですか?

圧縮されたOracle JInitiator配布版は約8MBです。クライアントに完全インストールする場合は、約10MBになります。

ユーザーが詳細を入力する必要のない、Oracle JInitiatorのサイレント・インストールは実行できますか?

Oracle JInitiatorでは、ユーザーがInstallShieldによって提供されるインストール・プロセスをアクティブに実行する必要がないサイレント・インストール・モードがサポートされています。サイレント・インストールを実行するには、Oracle JInitiator配布版をマシンにダウンロードする必要があります。続いて、ダウンロードした実行ファイルの実行時に、コマンド・ラインからまたはWindowsの「ファイル名を指定して実行」ダイアログから"-s -sm"を指定します。

たとえば、サイレント・インストールをコマンド・ラインから実行する場合、DOSシェルをオープンし、次のように入力します。

C:\TEMP> jinit1179 -s -sm

Windowsの「ファイル名を指定して実行」ダイアログを使用してサイレント・インストールを実行するには、「スタート」「ファイル名を指定して実行」をクリックしてから、表示される「ファイル名を指定して実行」ダイアログでjinit1179 -s -smと入力します。

ユーザーの介在が不必要なOracle JInitiatorインストールをセントラル・サーバーから実行できますか?

ホスト・オペレーティング・システムによって提供されるこの機能を使用すると、ユーザーが介在することなく、Oracle JInitiatorを各クライアント・デスクトップにインストールできます。これには、システム管理者が各クライアント・マシンにアクセスし、サイレントでGUIを使用しないOracle JInitiatorインストール・オプションを実行することも含まれます。

Oracle JInitiatorで、実行中のブラウザと同じプロキシ・サーバー構成などを使用することができますか?

Oracle JInitiatorの操作は、Oracle JInitiatorの「コントロール・パネル」を使用して制御されます。Oracle JInitiatorの「コントロール・パネル」は、Oracle JInitiatorのインストール時にインストールされます。「コントロール・パネル」には、「スタート」「プログラム」メニューからアクセスできます。

Oracle JInitiatorの「コントロール・パネル」を使用して、Oracle JInitiatorが特定のプロキシ設定または起動ブラウザによって提供されるデフォルトを使用するように構成できます。「Proxies」タブを選択し、適切な設定を挿入します。

どのようにしてOracle JInitiatorの新規バージョンをブラウザ・クライアントでダウンロードし、インストールするのですか?

Oracle JInitiatorは使用ブラウザのタイプに応じて、NetscapeプラグインまたはMicrosoft ActiveXオブジェクトとして機能します。ブラウザはMIMEタイプを使用して、HTMLページ・リクエストと必要なプラグインまたはActiveXオブジェクトの間でマッピングを行います。各Oracle JInitiatorインストールには、特定のMIMEタイプが対応付けられています。ブラウザが不明なMIMEタイプが含まれたHTMLページをロードする場合、このページに必要なプラグインまたはActiveXオブジェクトが含まれていないことをユーザーに通知します。続いて、これを取り出すためのダイアログ・ボックスが表示されます。

アプリケーションのHTMLページで指定されたMIMEタイプを以降のバージョンに変更することにより、ブラウザはそのMIMEタイプにとって有効なプラグインまたはActiveXオブジェクトが含まれていないことを検出します。続いて、リクエストに完全に応えるために、新規ファイルをダウンロードするようプロンプトが表示されます。

例:

HTMLページHR.HTMLを使用すると、HRアプリケーションを実行できます。HR.HTMLページは、MIMEタイプ値を使用してOracle JInitiatorバージョン1.1.5.21.1を使用する必要があることをブラウザに示します。

Oracle JInitiatorの以降のリリースを入手しサーバーにインストールしている場合、クライアント・ブラウザでは、新規バージョン・リリース情報が含まれているHR.HTMLファイル内のバージョンに関する行を変更することにより、新規バージョンを使用できます。

Netscapeの"Plug-in Not Loaded"ダイアログで「取消し」ボタンをクリックしましたが、Oracle JInitiatorをインストールするためのプロンプトが表示されません。どのようにしてプラグインをインストールすればよいですか?

Netscapeでは、Windowsレジストリを使用して、インストール済みプラグインに関する情報が格納されています。"Plug-in Not Loaded"ダイアログが表示されると同時に、Netscapeはプラグインが実際にインストールされているのかどうかにかかわらず、プラグインの詳細をこのレジストリに書き込みます。特定のプラグインを使用する必要があるページが見つかった場合、Netscapeはレジストリの設定に従って、プラグインがインストールされていると判断します。したがって、"Plug-in Not Loaded"ダイアログが再び表示されることはありません。これを解決するには、Netscapeで「プラグイン欠落」アイコンをクリックして、プラグインをロードします。これにより、Netscapeで「Plug-Inを入手」ダイアログ・ボックスが表示されます。

異なるMIMEタイプを含む多くのHTMLページを持っています。Oracle JInitiatorの最新リリースは、これらの旧MIMEタイプで実行できますか?

Netscapeブラウザでは現在、特定プラグインの指定MIMEタイプを格納するために使用する場合、256文字の上限があります。Microsoft Internet Explorerでは拡張可能ブラウザ・オブジェクト・アーキテクチャが使用されているため、この制限はありません。Oracle JInitiatorはこの制限内で、できる限り多くの旧MIMEタイプに対して逆向きのサポートを提供します。

特定リリースでサポートされているMIMEタイプの詳細は、Oracle JInitiatorリリースの添付ドキュメントおよびリリース・ノートを参照してください。

Oracle JInitiatorのすべてのバージョンでForms Developerアプリケーションを実行できますか?

はい。Oracleは、Oracle JInitiatorのすべてのインストール・バージョンでForms Developerアプリケーションを実行できる、汎用MIMEタイプを提供しています。このMIMEタイプ・アプリケーションx-jinit-appletは、Oracle JInitiatorのすべてのバージョンで認識されます。常にこのMIMEタイプを使用することで、ブラウザによってOracle JInitiatorの以降のバージョンをアップグレードできます。

B.3.4 Oracle JInitiatorの操作

Formsアプレット・ウィンドウを同じ起動ブラウザ・ウィンドウ内で実行できますか?

Forms Server リリース6iでは、同じブラウザ・ウィンドウ内および新規ウィンドウ内でのFormsアプレットの実行がサポートされています。これは構成変更可能なオプションであり、ベースHTMLファイルのパラメータとして設定されます。

現行ブラウザ・ページのナビゲートを終了した場合、実行中のForms Developerアプリケーションはどうなりますか?

Oracle JInitiatorには、実行中のJavaアプリケーションをキャッシュに書き込み、現行ブラウザ・セッション中必要なときに取り出すことができる追加機能が含まれています。つまり、Formsアプリケーションの実行中に異なるページにナビゲートしてからFormsアプリケーション・ページに戻る場合、実行中のFormsアプリケーションは元の状態のまま表示されます。

Oracle JInitiatorを使用してカスタム開発Javaアプリケーションを実行できますか?

Oracle JInitiatorでは、Oracle開発チームが拡張した標準JavaSoft JVMが使用されています。したがって、カスタムJavaアプリケーションを実行できます。ただし、Oracleは現在、Forms Developer、Oracle Enterprise ManagerおよびOracle DiscovererなどOracle Javaベース・アプリケーションの実行時のみ、Oracle JInitiatorをサポートしています。Oracleでは、カスタムJavaアプリケーションを実行するためにOracle JInitiatorを使用することはサポートしていません。

Oracle JInitiatorとJavaSoft Java Plug-inは同じマシン上で共存できますか?

はい。これらは異なるMIMEタイプを使用してプラグインを起動するので、同じブラウザ・インストールで共存できます。

同じブラウザ・インスタンス内でJavaSoft Java Plug-inと同時に使用された場合、Oracle JInitiatorは正しく共存し動作しますか?

いいえ。動的ロード可能なライブラリはロードされ、JVM動的ロード可能なライブラリは指定されるので、Oracle JREおよびJavaSoft JREは同じブラウザ・インスタンス内から同時に実行できません。つまり、JavaSoft Java Plug-inを使用しているブラウザ・ユーザーが、同じブラウザ・インスタンス内でOracle JInitiatorに切り替えることはできません。Oracle JInitiatorおよびJavaSoftのJava Plug-inを使用する異なるアプリケーションを切り替える場合、ブラウザを停止し再起動する必要があります。

JavaSoft Java Plug-inおよびOracle JInitiatorを使用して、異なるJREを使用するオプションがあります。Forms Developerアプリケーションを実行するためにOracle保証JREを使用するように構成されている場合、JavaSoft Java Plug-inを使用できますか?

保証およびサポートされている組合せは、Oracle JInitiatorとOracle JREのみです。JavaSoft標準に準拠するOracle JREには、JavaSoft JREに対するバグ修正が含まれています。これにより、Forms Developerアプリケーションは正しく実行されます。オラクル社はOracleの拡張機能がJavaSoftに伝達され、標準JREに適用されるように、JavaSoftと密接な関係を築いています。しかし、改良されたJavaSoft JREがリリースされるのを待つことはできません。

次の図は、Oracle JInitiatorの「コントロールパネル」およびJavaランタイム環境値の正しい設定を示しています。

B.3.5 キャッシュ書込み

Oracle JInitiatorは、アプリケーション実行時にダウンロードされたJavaクラス・ファイルをキャッシュ書込みできますか?キャッシュ書込みできる場合、Javaクラス・ファイルは一回のみダウンロードされ、アプリケーションが起動されるたびにダウンロードされないのですか?

はい。Oracle JInitiatorでは、Javaアプリケーション実行時にダウンロードするJARファイル用の持続キャッシュ書込みメカニズムが提供されます。JARファイルは、Javaアプリケーションによって使用される一連のJavaクラス・ファイルを含む標準Javaアーカイブです。必要な各クラス・ファイルを複数回ダウンロードするのではなく、すべての必要なクラス・ファイルを1つのJARファイルに入れることにより、ダウンロードは一度ですみます。

Oracle JInitiatorはJARファイルをクライアントにキャッシュ書込みすることにより、アプリケーションで必要になるたびにJARファイルをダウンロードする必要性が少なくなります。JARファイルが最初に必要になったとき、Webサーバーからダウンロードされ、ローカル・クライアント・マシンに保存されます。JARファイルが次に必要になったとき、Oracle JInitiatorはJARファイルが格納されているかどうかを確認するためにキャッシュ・ディレクトリを調べます。格納されている場合、これをローカル・ディレクトリから使用し、ファイルをWebサーバーから再ダウンロードしません。これにより、ユーザーの多くの時間および一般に使用されるアプリケーションのネットワーク・トラフィックを節約できます。たとえば、アプリケーションが2MBのJARファイルを使用しており、2MBのファイルを5秒でダウンロードできる高速イーサネット接続を使用する場合、アプリケーション起動時に5秒節約できます。2MBのファイルをダウンロードするのに10分を要する低速ダイアルアップ・ネットワークで実行する場合、アプリケーション起動時に10分節約できます。

Oracle JInitiatorキャッシュ書込みテクノロジはどのようにして機能するのですか?

Oracle JInitiatorでは、ブラウザのセッションとは無関係にJARファイルをキャッシュに書き込みます。Oracle JInitiatorは、ダウンロードされたJARファイルをローカル・クライアント・マシンに格納します。したがって、次にJARファイルが必要なときにダウンロードする必要がありません。

JARファイルが要求されたとき、Oracle JInitiatorはJARファイルが前回要求され、ダウンロードされ、格納されていないかどうかを確認するために、キャッシュ・ディレクトリをチェックします。JARファイルが存在しない場合、Oracle JInitiatorはJARファイルをWebサーバーからダウンロードし、次回使用するためにキャッシュに格納します。キャッシュ・ファイルには、Oracle JInitiatorがJARファイル、およびWebサーバーによって報告される要求ファイルの最終変更日付を一意に識別するための追加情報が格納されています。

キャッシュにJARファイルが存在する場合、格納されたJARファイルが現行のものであるかどうかを確認するために、Webサーバーをチェックする必要があります。Oracle JInitiatorはキャッシュ書込みされたJARファイルに含まれる最終変更日付を調べ、サーバー上のJARファイルが変更されているかどうかをWebサーバーに確認します(標準HTTP相互作用を使用)。Webサーバーは、サーバーに格納されたファイルの最終変更日付およびタイムスタンプを使用します。続いて、ステータス・コード200で新しいファイルをOracle JInitiatorに提供します。または、ステータス・コード304を戻します。これは、キャッシュ内のファイルが現行のものであることを示します。

キャッシュ書込みされたJARファイルが現行のものではない場合、新しいファイルがダウンロードされ、次回使用するためにキャッシュ・ディレクトリに格納されます。ファイルが現行のものである場合、Oracle JInitiatorはこのファイルをキャッシュ・ディレクトリからロードし、前回使用されたことを示すために、キャッシュ書込みされたファイルのタイムスタンプを更新します。

キャッシュ書込みされたJARファイルはどこに格納されるのですか?

デフォルトでは、Oracle JInitiatorはダウンロードされたJARファイルをOracle JInitiatorインストール・ディレクトリの下のjcacheサブディレクトリに格納します。

なぜ、jcacheディレクトリには、キャッシュ書込みされたJARファイルの見慣れない名前が含まれているのですか?

Webサーバー上の各JARはURL(URL = codebase + JAR filename)によって識別されるので、Oracle JInitiatorのキャッシュ書込みメカニズムではこれを使用して、JARファイルを一意に識別します。Windowsオペレーティング・システムでは、完全なURLは有効なファイル名ではないので、Oracle JInitiatorは単純なハッシング・アルゴリズムを使用して、これを有効なファイル名に変更してから、格納JARファイル名として使用します。JARファイルのリクエストが行われた場合、Oracle JInitiatorは完全なURLに対してハッシング・アルゴリズムを実行し、キャッシュ内に結果として生じるファイル名が存在するかどうかをチェックします。

JARファイル・キャッシュ書込みはどのようにサーバー・ロード・バランシングを処理するのですか?

前述したように、キャッシュ内のJARファイルは、取り出されたURLに基づいて識別されます。したがって、異なるサーバー上にある同じJARファイルは、各サーバーからダウンロードされます。セキュリティおよびアプリケーションの整合性を保証するために、これは意識的に行われます。JARファイルが名前のみを使用してキャッシュ書込みされている場合、不正なアプリケーションが他のアプリケーションのJARファイルを置換することがあります。オリジナルのアプリケーションが実行されている場合、Javaクラス・ファイルは異なります。また、JARファイルは一意の名前を持つことが保証されていないので、JARファイルが衝突することがあります。これは、2つの異なるアプリケーションが同じJARファイル名を使用しており、JARファイルからの異なるクラス・ファイルが必要な場合に起こります。

Forms Developerアプリケーションを実行するたびに、キャッシュ書込みされたJARファイルのタイムスタンプが更新されているようです。これは正常ですか?そのたびに、ファイルがダウンロードされているということですか?

いいえ。Oracle JInitiatorでは、構成変更可能なキャッシュ最大サイズがサポートされています。キャッシュ書込みされたJARファイルが使用されるたびに、Oracle JInitiatorはキャッシュ書込みされたファイルが前回使用された日時を示すために、タイムスタンプを更新します。

キャッシュ・サイズが、最大キャッシュ・サイズを維持するためにファイル削除が必要になる程度まで大きくなった場合、Oracle JInitiatorはキャッシュ・ファイルのタイムスタンプを使用して、最も以前に使用されたファイルを判断し、そのファイルを削除します。

キャッシュが正しく機能していること、およびJARファイルが常にダウンロードされているわけではないことがどうしたらわかるのですか?

Oracle JInitiatorが必要なファイルをダウンロードする必要がある場合、Forms Developerアプリケーションを実行するように構成されたWebサーバーを使用します。最新のWebサーバーでは、ダウンロードされたファイル、ダウンロードしたユーザー、およびダウンロード日時を追跡できるログ・ファイルの使用がサポートされています。Webサーバーのログ・ファイルでは、発生したトランザクションを記述するために標準フォーマットが使用されています。このログ・フォーマットには、リクエスト項目名およびリクエストの結果が含まれています。リクエストの結果は、一連の標準HTTPステータス・コードを使用して示されます。

JARファイルがクライアントにダウンロードされている場合、ログ・ファイルには、要求されたJARファイル名およびHTTPステータス・コード200が含まれます。JARファイルのタイムスタンプがキャッシュ書込みされたファイルのタイムスタンプ以前のものであるため、JARファイルがダウンロードされていない場合、ログ・ファイルには、要求されたJARファイル名およびHTTPステータス・コード304が含まれます。

次の例では、キャッシュ内のJARファイルが現行のものではないので、Webサーバーからダウンロードする必要がある場合、標準NCSAログ・フォーマットを使用してログ・ファイル内で作成されたエントリを示します。

ferret.us.oracle.com - - [19/Feb/1999:17:40:12 -0800] "GET /forms_java/f60all.jar HTTP/1.0" 200 -

次の例では、キャッシュ内のJARファイルが現行のものであるので、Webサーバーからダウンロードしない場合、標準NCSAログ・フォーマットを使用してログ・ファイル内で作成されたエントリを示します。

ferret.us.oracle.com - - [19/Feb/1999:17:42:29 -0800] "GET /forms_java/f60all.jar HTTP/1.0" 304 -

JARファイルのダウンロード時、jcacheディレクトリに.JCXファイルが作成されるようです。このファイルは何ですか?

JARファイルのダウンロード時、JARファイルのテンポラリ・コピーがファイル・システムに書き込まれます。このテンポラリ・コピーは、.jcxというファイル拡張子で識別されます。ダウンロードが正常に終了した場合、.jcxファイルは.jcファイルになります。ダウンロードまたは接続が中断された場合、操作は完了しないで、テンポラリ・ファイルの拡張子は.jcxのままです。Oracle JInitiatorは.jcxという拡張子のファイルは無効なので、ロードしません。

キャッシュ書込みが正常に機能することを確認していますが、アプリケーションの起動に時間がかかりすぎます。これはなぜですか?

Oracle JInitiatorによって提供されるJARファイル・キャッシュ書込みは、システム上のJavaのスピードを上げるような技法を使用しません。実行することは、各アプリケーションの起動に必要なJARファイルをダウンロードする時間を節約することです。JARファイルのZip解凍、包含クラスのメモリーへのロード、および改ざんされていないことを保証するための認証操作によって、起動時間は非常に長くなります。実際に、超高速ネットワークでは、JARファイルのダウンロードに要する時間は、Javaクラスのメモリーへのロードおよび認証に要する時間よりも短くなります。つまり、キャッシュ書込みでは、アプリケーション起動に要する時間をほとんど節約できません。低速ネットワークでは、JARファイルのダウンロードに要する時間は、起動時間において比例して長くなります。したがって、JARファイルのキャッシュ書込みはさらに重要になります。


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