Forms Server for Windows and UNIX
Formsアプリケーション Web利用ガイド
リリース6i

J00496-01

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Forms Serverの概要

2.1 概要

Forms Serverは、インターネット・コンピューティングの利点を最大限に実現するテクノロジを提供します。この章ではForms Serverアーキテクチャの概要から、特にフォームのインターネット上での配信に関する概要を提供します。

Forms Serverは、新規および従来のOracle Formsアプリケーションを、World Wide Web上に配置できるようにする新世代の開発ツールです。アプリケーションは、社内イントラネットや社外のエクストラネットまたはインターネット上に配置できます。

Forms Serverは、Oracle Formsアプリケーションを多層環境に配置するために最適化されたアプリケーションサーバーです。Oracle Developer Serverでは、Webの使用やアクセスが簡単なことを利用し、Webに単なる静的な情報公開メカニズムを超えた、複雑で動的なアプリケーションをサポートできる環境としての機能を与えます。

2.2 Forms Serverアーキテクチャ

Forms Serverでは3層のアーキテクチャを使用して、データベース・アプリケーションを配置します。図2-1は、Forms Serverアーキテクチャを構成する3層を示します。

図2-1 Forms Serverアーキテクチャ

2.3 Forms Serverコンポーネント

Forms Serverは中間層のアプリケーション・サーバーで、複雑なトランザクション・フォーム・アプリケーションをインターネット上に配置します。開発者はOracle Forms Developerで新規アプリケーションを構築し、Forms Serverを使用してインターネット上に配置できます。また、開発者は従来のクライアント/サーバー型アプリケーションを、そのアプリケーション・コードを変更することなく3層のアーキテクチャに移行することもできます。

Forms Serverは図2-2に示されるように、3つの主要なコンポーネントで構成されます。

図2-2 Web上でフォームを実行する3層の構成

2.3.1 Formsアプレット

ユーザーがWeb上でフォーム・セッションを実行すると、Javaベースの小さなFormsアプレットがアプリケーション・サーバーから動的にダウンロードされて、自動的にJavaクライアント・マシンにキャッシュされます。

Formsアプレットは、Forms Server Runtimeエンジンにユーザー・インタフェースを提供します。拡張可能な最適化Javaアプレットとして、クライアントのWebブラウザのフレームワーク内で操作できます。項目間の移動や、チェックボックスにチェックを付ける処理は対話的に行われ、その際に生成される情報がビジュアルに返されます。アプリケーションの表示のみを行い、特定のアプリケーション・ロジックは含まれません。

フォームのサイズや複雑度にかかわらず、どのフォームに対しても同じJavaアプレット・コードを使用できます。これはWeb上に配置するアプリケーションやフォームごとに、Javaコードを記述する必要がないことを意味します。

2.3.2 Forms Listener

Forms ListenerはJavaクライアントと、Forms Server Runtimeプロセス間におけるブローカとして機能します。Javaクライアント・プロセスから接続リクエストを受け取り、Forms Server Runtimeプロセスを開始します。またリスナーはJavaクライアント完了後できるだけ早く接続できるように、実行するエンジンのプールを保持できます。

2.3.3 Forms Runtimeエンジン

Forms Runtimeエンジンはアプリケーション・ロジックと処理を管理します。Javaクライアントのためにデータベース接続を保持します。クライアント/サーバー・モードで実行するのに使用されたのと同じフォーム、メニューおよびライブラリ・ファイルを使用します。これまでのクライアント・サーバー資産アプリケーションをインターネット上に配置するのに、アプリケーション・コードの変更は必要ありません。

Forms Runtimeエンジンは2つの役割を果たします。クライアントのブラウザと通信するときは、クライアントからのリクエストを処理するサーバーとして機能します。データベース・サーバーと通信するときは、要求されたデータをデータベース・サーバーに対して問い合せるクライアントとして機能します。

2.4 Forms Serverの動き

Web上でFormsアプリケーションの実行を開始するには、Java対応のWebブラウザを使用して、URLにアクセスします。Forms Serverに関するプロセス・フロー中に発生する一連のイベントが、図2-3とそれに続く記述で説明されています。

図2-3 Forms Serverプロセスのフロー

ユーザーがWeb上でFormsアプリケーションを実行するとき、次のイベントが順に起こります。

  1. ユーザーがFormsアプリケーションの実行を指示するHTMLページのURLにアクセスします。

  2. そのHTMLページがWebブラウザにダウンロードされます。必要であれば、クライアントはFormsアプレットを含むJavaアーカイブ・ファイルもダウンロードします。Formsアプレットがインスタンス化され、HTMLぺージからのパラメータを使用して実行するFormsアプリケーションが決定されます。

  3. FormsアプレットはForms Listener(Formsアプレットをダウンロードしたマシンの特定のポートに存在します)にリクエストを送信します。

  4. Forms ListenerはForms Runtimeエンジンに連絡して、Forms Server Runtimeプロセスに接続します。HTMLページに含まれている場合は、Formsコマンド・ライン・パラメータ(フォーム名、ユーザーIDおよびパスワード、データベースSID、メニュー名などの)および任意のユーザー定義Form Builderパラメータが、Forms Listenerによってプロセスに渡されます。

  5. リスナーはRuntimeエンジンとの接続を確立して、接続情報をFormsアプレットに送信します。

  6. その後Formsアプレットは、Runtimeエンジンとの直接接続を確立します。

  7. この時点でFormsアプレットとRuntimeエンジンは通信を直接開始し、他のユーザーからの開始リクエストを受け取れるようにリスナーを開放します。Formsアプレットはアプリケーションのユーザー・インタフェースを、ユーザーのWebブラウザのメイン・ウィンドウに表示します。

  8. Runtimeエンジンで実行中のアプリケーションは、データベースと直接通信します。


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