Forms Server for Windows and UNIX
Formsアプリケーション Web利用ガイド
リリース6i

J00496-01

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目次

索引

7
アプリケーション設計に関する考慮事項

7.1 概要

この章では、Webで利用できるFormsアプリケーションの設計に関するガイドラインとヒントを示します。次の項が含まれています。

7.2 一般的なガイドライン

Web配置アプリケーションの設計について一般的なガイドラインを次に示します。

7.3 Formsアプリケーション設計のためのガイドライン

Webで利用できるFormsアプリケーションの設計に関するヒントを示します。これらは次の項で詳細に説明します。

7.3.1 ユーザー独自のテンプレートHTMLファイルの作成

(Oracleが提供するテンプレートを変更して)ユーザー独自のHTMLファイル・テンプレートを作成することを検討してください。ユーザー独自のテンプレートを作成すると、標準のForms Clientアプレット・パラメータおよびパラメータ値をテンプレートに直接に指定することができます。作成したテンプレートには、標準テキスト、ブラウザ・ウィンドウ・タイトル、またはイメージ(会社のロゴなど)を挿入でき、これらはWebで使用できるフォームを実行するときに参照できる、最初のWebページに表示されます。標準パラメータ、値、および追加のテキストまたはイメージを追加すると、特定のアプリケーションのテンプレートをカスタマイズするために必要な作業量を減らすことができます。テキスト、イメージ、またはウィンドウ・タイトルを追加するには、テンプレートHTMLファイルに適切なタグを挿入します。

7.3.2 HTMLアプリケーション・メニューの作成

Webに追加のアプリケーションを配置するときは、Webで使用できるさまざまなアプリケーションに対して1つにまとまったメニューを提供するために、単一のHTMLページを作成するようにしてください。このアプローチにより、利用または削除するすべてのアプリケーションのURLをブロードキャストする手間が省けます。使用できるアプリケーションの登録を変更する場合は、Webメニュー上のリンクが列挙されている箇所を変更します。このことで、ユーザーはメニューURLに接続して、使用できるアプリケーションのリストから選択できるようになります。

7.3.3 Forms ServerでのOracle Designerの使用

Forms Serverは、Oracle Designer(32ビット、リリース1.3.2以降)で生成したフォームをサポートします。標準のOracle Designerのフォーム生成・テンプレート(ofg4pc1t.fmbおよびofg4pc2t.fmb)を使用してフォーム定義とメニュー定義を生成する場合、Forms Serverを使用して.FMXおよび.MMXファイルをコンパイルし、ただちにWeb上でアプリケーションを実行できます。

7.3.4 ネットワーク通信量の削減

ユーザーがWeb上でForm Builderアプリケーションを操作する場合に発生するネットワーク・ラウンドトリップ数を減らすためには、アプリケーションにおける次のForm Builder機能の一部またはすべてを削除する必要があります。

7.3.5 不要なグラフィックとイメージの削除

アプリケーションに表示されるイメージ項目と背景イメージの数を可能な限り減らします。アプリケーション・ユーザーに対してイメージが表示されるたびに、イメージはアプリケーション・サーバーからユーザーのWebブラウザにダウンロードする必要があります。

Webアプリケーションで会社のロゴを表示する場合には、アプリケーションの起動時にダウンロードされるHTMLファイルに会社のロゴ・イメージを含めてください。会社のロゴを背景イメージとしてアプリケーションに挿入するかわりにこれを行ってください。会社ロゴを背景イメージとして指定した場合データベースまたはファイルシステムから検索して、ユーザーのマシンにダウンロードするトラフィックが繰返し発生します。

7.3.6 標準フォントの選択

すべてのプラットフォーム間でサポートされているフォントは、あまり有りません。たとえば、Sans SerifはMicrosoft Windowsアプリケーションで一般的に使用されていますが、UNIXでは使用できません。フォントがプラットフォームで使用できない場合、Form Builderは類似したフォントの使用を試みます。このため、Web上で利用するフォームを設計するときには、必ず次に示すフォント・ガイドラインに従ってください。

実行時に、Forms ServerはフォームのフォントをJava等価フォントに対応づけします。次に、JAVAは配置プラットフォームに定義済みのフォントでフォントを表します。フォームのフォントをJava等価フォントに変換するために、JavaはRegistry.datと呼ばれるファイル内の別名リストを使用します。次の表は、Javaフォントと主要な配置プラットフォーム上の等価フォントの一覧です。

表7-1
Javaフォント  Windowsフォント  X Windowsフォント  Macintoshフォント 

Courier 

Courier New 

adobe-courier  

Courier 

Dialog 

MS Sans Serif 

b&h-lucida 

Geneva 

DialogInput 

MS Sans Serif 

b&h-lucidatypewriter 

Geneva 

Helvetica 

Arial 

adobe-helvetica 

Helvetica 

Symbol 

WingDings 

itc-zapfdingbats 

Symbol 

TimesRoman 

Times New Roman 

adobe-times 

Times Roman 

Form Builderフォント別名表を用いてフォーム上のフォントをJavaフォントに対応付けする際に対応付けできないフォントについては、Javaは自動的にJavaフォントを割り当てます。

7.4 Forms Serverで使用されるアイコンとイメージの配置

この項では、アイコンとイメージのデフォルト・ディレクトリおよび検索パスの指定方法を説明します。

7.4.1 アイコン

Web上にFormsアプリケーションを配置する場合、(アイコン・ボタン、メニュー、またはウィンドウに指定した)ICO形式のアイコン・ファイルは使用しません。Webを介して接続できるファイル形式は、GIFまたはJPGファイルのみです(GIFがデフォルト形式です)。

デフォルトでは、アイコンはHTMLファイルを含むディレクトリ、DocumentBaseディレクトリにあります。アイコンを別のディレクトリに格納する場合は、アプリケーション・ファイルを作成して、アイコン・ファイルを常駐させる仮想ディレクトリおよび使用するファイル形式(GIFまたはJPG)を指定する必要があります。このアプリケーション・ファイルはHTMLファイルで参照する必要があります。

カスタム・アプリケーション・ファイルを作成するには、次の手順に従います。

  1. <ORACLE_HOME>\forms60\java\oracle\forms\registryディレクトリにあるregistry.datテキスト・ファイルを別のディレクトリへコピーします。このディレクトリはWebサーバーの仮想ディレクトリ(/appfileなど)へマップする必要があります。

  2. 新規ファイルをリネームします(myapp.datなど)。

  3. アイコンのディレクトリを指定するiconpathパラメータを次のとおりに変更します。

    default.icons.iconpath=/mydir or http://myhost.com/mydir
    (絶対パスの場合)
    または
    default.icons.iconpath=mydir
    (DocumentBaseディレクトリから始まる相対パスの場合)

  1. iconextensionパラメータを次のように変更します。

    default.icons.iconextension=gif
    または
    default.icons.iconextension=jpg

HTMLファイルでアプリケーション・ファイルを参照するには、次の手順に従います。

formsweb.cfgファイルまたはHTMLファイルで、serverAppパラメータの値を変更し、値をアプリケーション・ファイルのディレクトリおよび名前に設定します。

<PARAM NAME="serverApp" VALUE="/appfile/myapp"> 

(絶対パスの場合)

または

<PARAM NAME="serverApp" VALUE="appfile/myapp"> 

(CodeBaseディレクトリに関連する相対パスの場合)

7.4.2 スプラッシュ画面イメージおよびバックグラウンド・イメージ

アプリケーションをWebで実行する場合、(接続中に表示される)スプラッシュ画面イメージおよびバックグラウンド・イメージ・ファイルを指定するための機能が必要です。

これらのイメージは、次に示すようにHTMLファイルまたはformsweb.cfgファイルで定義します。

<PARAM NAME="splashScreen" VALUE="splash.gif">

<PARAM NAME="background" VALUE="back.gif">

スプラッシュ画面およびバックグラウンド・イメージ・ファイルのデフォルト・ディレクトリは、ベースHTMLファイルが含まれているDocumentBaseディレクトリ内にあります。

7.4.3 アイコンおよびイメージを含むカスタムJARファイルの使用

(スプラッシュ画面またはバックグラウンドの)アイコンまたはイメージを使用するたびに、HTTPリクエストがWebサーバーに送信されます。クライアントとサーバー間のHTTPラウンドトリップ数を減らすには、Javaアーカイブ(JAR)ファイルにアイコンおよびイメージを格納するための機能が必要です。この方法を使用すると、JARファイルをダウンロードするのに、1回のHTTPラウンドトリップのみで済みます。

7.4.3.1 JARファイルの作成

SunSoft JDKには、jarと呼ばれる実行可能ファイルが含まれています。このユーティリティを使用すると、Javaアーカイブ内にファイルを格納できます。詳細は、www.java.sun.comを参照してください。

例:

jar -cvf myjar.jar Splash.gif Back.gif icon1.gif

このコマンドにより、myjar.jarと呼ばれる単一のJARファイルに3つのファイル(Splash.gif、Back.gif、icon1.gif)が格納されます。

7.4.3.2 JARファイル内でのファイルの使用

アイコンおよびイメージのデフォルトの検索パスはDocumentBaseに関連します。ただし、それらのファイルを格納するためにJARファイルを使用する場合は、検索パスは、Javaアプレットを含むディレクトリ、CodeBaseディレクトリに関連する必要があります。

JARファイルを使用してアイコンおよびイメージを格納する場合は、検索パスが、基本のHTMLファイルでimageBaseパラメータを使用しているCodeBaseに関連するよう指定する必要があります。

このパラメータは次の2つの異なる値が指定可能です。

この例では、アイコンを含むJARファイルを使用して、検索がCodeBaseの相対パスになるように指定します。パラメータ"imageBase"を設定していない場合は、検索はDocumentBaseに関連し、アイコンはJARファイルから検索されません。

例:

<PARAM NAME="archive" VALUE="icons.jar">

<PARAM NAME="imageBase" VALUE="CodeBase">

7.4.4 アイコンおよびイメージの検索パス

アイコンおよびイメージの検索パスは次の内容によって異なります。

Forms Serverでは、指定した内容に応じてアイコンを検索します。この例では、次のように仮定します。

7.4.4.1 DocumentBase

デフォルトの検索パスはDocumentBaseディレクトリに関連します。この場合、imageBaseパラメータを指定する必要はありません。

表7-2
  指定ディレクトリ  Forms Serverで使用される検索パス 

アイコン 

デフォルト 

http://host/documentbase 

 

iconpath=mydir

(アプリケーション・ファイルで指定) 

http://host/documentbase/mydir

(相対パス) 

 

iconpath=/mydir

(アプリケーション・ファイルで指定) 

http://host/mydir

(絶対パス) 

イメージ 

file.gif

(HTMLファイルで指定) 

http://host/documentbase/file.gif 

 

mydir/file.gif

(HTMLファイルで指定) 

http://host/documentbase/mydir/file.gif

(相対パス) 

 

/mydir/file.gif

(HTMLファイルで指定) 

http://host/mydir/file.gif

(絶対パス) 

7.4.4.2 CodeBase

次に示すように、基本のHTMLファイルでimageBase=CodeBaseパラメータを使用して、JARファイル内でのアイコンおよびイメージの検索を可能にします。

表7-3
  指定ディレクトリ  Forms Serverで使用される検索パス 

アイコン 

デフォルト 

http://host/codebase or root of the JAR file 

 

iconpath=mydir

(アプリケーション・ファイルで指定) 

http://host/codebase/mydir or in the mydir directory in the JAR file

(相対パス) 

 

iconpath=/mydir

(アプリケーション・ファイルで指定) 

http://host/mydir

(絶対パス)

JARファイルは使用されない。 

イメージ 

file.gif

(HTMLファイルで指定) 

http://host/codebase/file.gif or root of the JAR file 

 

mydir/file.gif

(HTMLファイルで指定) 

http://host/codebase/mydir/file.gif or in the mydir directory in the JAR file

(相対パス) 

 

/mydir/file.gif

(HTMLファイルで指定) 

http://host/mydir/file.gif

(絶対パス)

JARファイルは使用されない。 

7.5 グラフィックとレポートの統合

グラフィックまたはレポートをWebで使用できるフォームから起動するには、RUN_PRODUCTビルトイン・サブプログラムを使用します。

7.5.1 グラフィックの実行

Webで使用できるフォームでRUN_PRODUCTをコールして、グラフィック・アプリケーションを表示する場合、特別な環境変数を設定する必要はありません。

7.5.2 レポートの実行

RUN_PRODUCTを使用してWeb上で実行中のフォームからレポートを実行するには、次に示す3つの環境変数を設定する必要があります。

表7-4
環境変数  説明 

FORMS60_OUTPUT 

生成したレポート・ファイルを格納するアプリケーション・サーバー上の物理ディレクトリ。

例: c:\orant\forms60\my_reps\  

FORMS60_MAPPING 

FORMS60_OUTPUT変数で定義された物理ディレクトリを指す仮想ディレクトリ。

例: /web_reps/  

FORMS60_REPFORMAT 

生成したレポート出力を格納する形式。

例: PDF or HTML  

Windows NTでは、レジストリ内で環境変数を定義します。UNIXでは、コマンド・シェル内で環境変数を定義します。環境変数設定の詳細は、付録C「AppletViewer」を参照してください。

前述の環境変数を設定すると、Web上で実行中のフォームがRUN_PRODUCTをコールしてレポートを起動する場合に、次の順序で自動的に発生します。

レポートの出力形式がSCREENまたはPREVIEWの場合は、次のようになります。

レポートの出力形式がFILEの場合は、次のようになります。

7.6 Web上のFormsアプリケーションの機能制限

Webに配置するフォームを作成するときは、Formsの機能には、Webに配置されると異なる動作をする場合や、あるいはまったく動作しない場合があるということに注意してください。表7-5には、フォームの機能を一覧表示しています。機能がWebでサポートされているかどうか、またその機能に関するガイドラインやメモが記載されています。

表7-5
機能  サポート  ガイドラインと注意事項 

ActiveX、OCX、OLE、VBX  

なし 

ユーザーが出力を表示できないためアプリケーション・サーバー上に画面表示するサード・パーティ・コントロールはサポートされていません。  

When-Mouse-Enter / Leave / Moveトリガー  

なし 

トリガーを実行するたびに、ネットワーク・ラウンドトリップが必要になり、その結果パフォーマンスが低下する。  

コンソール 

あり 

(ステータスとメッセージ行を含む)コンソールを表示するには、フォーム・レベル・プロパティのコンソール・ウィンドウを、コンソールを表示するウィンドウに設定する。  

ファイアウォール 

あり 

Forms ServerをHTTPまたはHTTPSモードで実行し、HTTP 1.1プロトコルをサポートするファイアウォールが必要。 

HOST_COMMAND、ORA_FFI、USER_EXIT  

あり 

これらの機能をコールすると、可視出力またはGUI要素が、クライアント/サーバー・モードのユーザーのマシン上に表示されることがよくある。Web実装では、同じ機能をコールすると、アプリケーション・サーバー上に出力とGUI要素を表示する(ユーザーは、それらを参照またはそれらと対話できない)。 

アイコン・ボタン 

あり 

アイコン・イメージ・ファイルはGIF形式にする(ICO形式は使用できない)。 

NLS、BIDI  

あり 

8ビット言語のみサポートされる。  


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