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これまでのクライアント・サーバー・アプリケーションの資産のWebへの移行

8.1 概要

現在Forms Serverのクライアント・サーバー・バージョンを使用している場合は、アプリケーションをWeb用のForms Serverへ簡単に移行できます。この章では、クライアント・サーバーとWeb実装間の違いを簡単に説明し、現在使用しているアプリケーションをクライアント・サーバー・ベースからWebベースのForms Serverへ移行するためのガイドラインを示します。

8.2 クライアント・サーバー・ベースのアーキテクチャ

クライアント・サーバー・ベースの実装では、図8-1に示すように、Forms Server Runtimeエンジンおよびすべてのアプリケーション・ロジックはユーザーのデスクトップ・マシンにインストールされます。いくつかのアプリケーションで指定されるデータベース・サーバー側のトリガーおよび論理以外の、すべてのユーザー・インタフェース処理およびトリガー処理は、クライアント上で行われます。

図8-1 Forms Serverのクライアント・サーバーベースのアーキテクチャ

8.3 Webベースのアーキテクチャ

Webベースの実装では、図8-2に示すように、Forms Server Runtime Engineおよびすべてのアプリケーション論理は、クライアント・マシンではなくアプリケーション・サーバーにインストールされます。すべてのトリガー処理はデータベースおよびアプリケーション・サーバーで行われますが、ユーザー・インタフェース処理は、ユーザーのマシンにあるFormsクライアントで行われます。

図8-2 Forms ServerのWebベースのアーキテクチャ

8.4 移行に関するガイドライン

Forms Serverの3層アーキテクチャ構成の他に、クライアント・サーバーからWebへ移行する場合にはいくつかの注意点があります。

たとえば、Webベースのアプリケーションでは、次のような注意点があります。

• JPEGおよびGIFイメージ・タイプのみをサポートしているので、既存のイメージはこれらの形式に変換する。

• ファイル転送用に圧縮されたJAR（Javaアーカイブ）ファイルの使用がサポートされているので、FormsサーバーとJavaクライアント間で大きいファイルの転送が必要な場合はいつでもJARファイルを使用する。

• ユーザー・インタフェースではActiveX、OCX、OLE、またはVBXコントロールをサポートしない。かわりに、JavaBeansを使用して、ユーザー・インタフェースの機能を複製します。その他のMicrosoft Windowsユーザー・インタフェースの依存性もJavaBeansで置換します。

• When-Mouse-Enter、When-Mouse-Leave、およびWhen-Mouse-MoveなどのMouseMoveトリガーはサポートしない。

• クライアントのハード・ドライブへの書込みアクセスは本来サポートしない。これは、トランスポータブルのFormsユーザー・インタフェース用のJavaBeansを書き込むことで実行できます。

• Javaフォントのみをサポートしているので、使用するフォントのタイプについてアプリケーションをチェックする。必要に応じて、Javaフォントに変換します。JavaはRegistry.datファイルにあるフォント別名リストを使用します。次の表8-1に示すフォント別名がサポートされます。

  表8-1 Webベースのアプリケーションでのフォントのサポート

  Javaフォント	Windowsフォント	XWindowsフォント	Macintoshフォント
  Courier	Courier New	adobe-courier	Courier
  Dialog	MS San Serif	b&h-lucida	Geneva
  DialogInput	MS San Serif	b&h-lucidatypewriter	Geneva
  Helvetica	Arial	adobe-helvetica	Helvetica
  Symbol	Wingdings	itc-zapfdingbats	Symbol
  Times Roman	Times New Roman	adobe-times	Times Roman