この章では、Formsとともに使用するOracle Enterprise Manager(OEM)のインストールと構成の方法について説明します。OEMの特徴と機能についても説明します。OEMは、グラフィカルなJavaコンソール、管理サーバー、エージェント、およびOracle製品を管理するための統合されたシステム管理プラットフォームを提供するツールから構成されるシステム管理ツールです。
OEM Management Server(OMS)、OEMコンソールおよびOEMエージェントソフトウェアは、Forms OEM CD-ROMに入っています。OEMエージェントソフトウェアは、Oracle Forms Developer Server 6iのCD-ROMにも入っています。
net80/adminの下のOMS Oracleホームに、TNSエントリを作成します。OEMコンソールを実行しようとしているマシン上のtnsnames.oraファイルに、OEMリポジトリのデータベース名が存在している必要があります。
13.4.3 OMSサービスの開始とOEMコンソールへの接続
OMSサービスの開始とOEMコンソールへの接続の手順は、次のとおりです。
- NTサービス・コントロール・パネルから、OEM Managementサービスを開始します。
- Consoleに接続する手順は、次のとおりです。
- 「スタート」「プログラム」「ORACLE_HOME」「OEM」「OEMコンソール」を選択します。
- デフォルトのユーザー名sysmanとパスワードoem_tempを使用します。新しいパスワードを作成するようにプロンプトが表示されます。
13.4.4 Forms ServerマシンへのOEMエージェントのインストール
OEMエージェント8.0.6は、Forms Developer 6iインストレーションの一環として、ORACLE_HOMEディレクトリにインストールされます。エージェント 8.0.6がインストールされていることを確認するには、NTサービス・コントロール・パネルにOracleエージェント60エントリがあり、ORACLE_HOMEディレクトリにagentbinディレクトリが存在している必要があります。または、エージェント 8.1.5をForms OEM CDからインストールできます。
OEMエージェントをインストールする手順は、次のとおりです。
- Forms OEM CD-ROM上のsetup.batファイルをダブル・クリックします。
- 表示されるダイアログ・ボックスで、3番目のラジオ・ボタンを選択してOEMエージェントをインストールします。
- ダイアログ・ボックスで、エージェント・ソフトウェアをインストールするORACLE_HOMEディレクトリの名前を入力します。
- エージェントバージョン8.1.5をインストールする場合は、エージェントをOEMのORACLE_HOMEディレクトリにインストールできます。
- エージェントバージョン8.0.6をインストールする場合は、エージェントをForms ServerのORACLE_HOMEディレクトリにインストールできます。
- 次のオプションを選択します。
- NetServiceNameこれは、OMSがインストールされるマシン名です。たとえば、oradevdemo2-pcなどです。
- プロトコルTCP/IP (インターネット・プロトコル)
- プロトコル設定データベースが置かれているOMSマシンのホスト名。たとえば、oradevdemo2-pc.us.oracle.comなどです。
- ポート番号データベースが置かれているマシンのポート番号。
- サービスOracle 8iリリース8.0またはそれ以前を選択し、サービス名またはSIDを入力します。
- 「テスト」を選択して、OMSマシン上のデータベースへの接続をチェックします。
- 「完了」を選択します。
- NTサービス・コントロール・パネルから、OEMエージェントを開始します。
13.5 OEMコンソールからのForms Serverの管理
既存のForms Listenerは、OEMから管理できません。最初に、OEMコンソールからForms Listenerを作成する必要があります。
13.5.1 ノードの検索
OEMでリモートのForms Serverマシンを管理するには、そのマシンの場所を探す必要があります。場所を探す手順は、次のとおりです。
- OEMコンソールで、メニューから「ノードの検出」を選択します。
- ノード名を入力します。たとえば、dev2000srv-pcと入力します。
13.5.2 リモートForms Serverのオペレーティング・システム(NT)での管理ユーザーの作成
OMSは、リモート・マシンのオペレーティング・システム上の管理ユーザーを通して、リモートのForms Serverマシンを管理します。この管理ユーザーには、"バッチ・ジョブとしてログオン"ユーザー権利が必要です。管理ユーザーを作成する手順は、次のとおりです。
- NTに管理ユーザーとしてログオンします。
- NTで、「スタート」「プログラム」「管理ツール」「ユーザー・マネージャ」を選択します。
- ユーザー名を選択します。
- 「原則」メニューから、「ユーザーの権利」を選択します。
- 「ユーザー権利の原則」ダイアログ・ボックスで、「高度なユーザー権利の表示」チェックボックスを選択します。
- 「権利」ドロップダウン・リストから、「バッチ・ジョブとしてログオン」を選択します。
- 「OK」を選択します。
13.5.3 OEMコンソールでの管理ユーザーの資格証明の入力
OEMコンソールで管理ユーザーの資格証明を入力する手順は、次のとおりです。
- OEMコンソールを開始します。
- 「システム」メニューから、「作業環境」を選択します。
- 「優先接続情報リスト」タブを選択します。
- 「サービス名」列で、管理するリモートForms Serverマシンの名前を検索します。サービス・タイプがノードの行を選択してください。
- 13.5.2項「リモートForms Serverのオペレーティング・システム(NT)での管理ユーザーの作成」で作成した管理ユーザーの名前とパスワードを入力します。
13.5.4 OEMコンソールからのForms Runtimeインスタンスの表示
OEMコンソールからForms Runtimeインスタンスを表示する手順は、次のとおりです。
- OEMコンソールで、「Developer Server」、「 Forms_Listeners_<RemoteMachineName>」を選択します。
- マウスの右ボタンをクリックして、「ランタイム・プロセスのリスト」を選択します。
13.6 OEMメニュー・オプション
次のメニュー・オプションは、Forms Listener、Forms Server、Load Balancer ServereおよびLoad Balancer Clientの管理に使用できます。
13.6.1 Forms Listenerグループの制御
マウスの右ボタンで表示されるメニューで使用可能なコマンドは、次のとおりです。
- 新規作成 新規リスナー・プロセスを作成する前に、パラメータのリストを求めるプロンプトが表示されます。リスナー・プロセスが作成されると、エントリがナビゲータ・ツリーに表示され、リスナーが開始します。
- ランタイム・プロセスのリスト このコマンドは、このノードで実行されているForms Runtimeプロセスのリストを別のウィンドウに表示します。「ランタイム・プロセス・リスト」ウィンドウ参照。
- リフレッシュ このコマンドは、このノードで実行されている既存のForms Listenerを検出し、このノード上のすべてのForms Listenerインスタンスの実行中/非実行中ステータスもリフレッシュします。
13.6.2 Forms Listenerインスタンスの制御
マウスの右ボタンで表示されるメニューで使用可能なコマンドは、次のとおりです。
- 開始 リスナーが現在ダウンしている場合に、リスナーを開始します。
- 停止 リスナーがシャットダウンし、Listenerインスタンスがダウンしていることが特殊なアイコンによって示されます。
- 類似作成 コピー・コマンドと非常によく似ていて、現在のリスナーと同じパラメータを使用して別のリスナーを作成します。「新規作成」コマンドと同様のダイアログによって、必要な変更を行うように求められます。
- 変更 ダイアログ・ボックスで、起動パラメータと環境変数を変更できます。
- 削除 Listenerインスタンスがナビゲータ・ツリーから削除されます。Forms Listenerインスタンスは、そのリスナーに関連付けられているRuntimeプロセスがない場合のみ削除できます。削除されたリスナーは、ノードから自動的にシャットダウンします。
- プロパティ このForms Listenerインスタンスに関連付けられているパラメータ、環境変数およびRuntimeプロセスのリストを表示します。
13.6.3 「ランタイム・プロセス・リスト」ウィンドウ
このウィンドウは、ある特定のノード上の現在のForms Runtimeプロセスをすべて示す表タイプのリストです。各行が1つのRuntimeプロセスを表します。次のフィールドが表示されます。
- リスナー名
- ノード
- IPアドレス
- ユーザー名
- プロセスID
- 接続時間
- 動的ロギング・ステータス
- メモリー使用量
- CPU %
13.6.4 Forms Runtimeプロセスの制御
マウスの右ボタンで表示されるメニューで使用可能なコマンドは、次のとおりです。
- 削除 実行を停止するための削除シグナルがRuntimeインスタンスに送信されます。このコマンドは主に、不正なランタイム・プロセスを停止して、それ以上損害が与えられないようにするために使用します。
- ロギング使用可能 ランタイム・インスタンスの動的ロギングをオンにします。ログは、生成されたファイル名でテンポラリ・ファイルに書き込まれます。ファイル形式は、Forms Runtime Diagnostic(FRD)で生成される形式と同じです。
- ロギング使用不可 ランタイム・インスタンスの動的ロギングをオフにします。
- ログの表示 動的ロギング・コマンドで生成されたログ・ファイルを表示します。
13.6.5 Load Balancer Serverグループの制御
マウスの右ボタンで表示されるメニューで使用可能なコマンドは、次のとおりです。
- 新規作成 Load Balancer Serverインスタンスが作成されます。サポートされるパラメータは次のとおりです。<port #1> <port #2> <max. no. of client> <trace level>。
Load Balancer Serverは、Metrics Serverとも呼ばれています。
13.6.6 Load Balance Serverインスタンスの制御
マウスの右ボタンで表示されるメニューで使用可能なコマンドは、次のとおりです。
- 開始 Load Balancer Server開始します。
- 停止 サーバーがシャットダウンします。
- 類似作成 コピー・コマンドと非常によく似ていて、現在と同じパラメータを使用して別のLoad Balancer Serverを作成します。
- 変更 起動パラメータと環境変数を変更するためのダイアログ・ボックスが表示されます。
- 削除 Load Balancer Serverがナビゲータ・ツリーから削除されます。削除されたサーバーは、ノードから自動的にシャットダウンします。
- プロパティ このLoad Balancer Serverに関する関連情報を表示する別のウィンドウが起動します。
Load Balancer Serverは、Metrics Serverとも呼ばれています。
13.6.7 Load Balancer Clientグループの制御
コマンドは、Load Balancer Serverのオブジェクト・タイプとまったく同じです。サポートされるパラメータは、次のとおりです。
<Master Server host name> <Remote port> <Local port> <Scale Factor>
Load Balancer Clientは、Metrics Clientとも呼ばれています。
13.6.8 Load Balancer Clientインスタンスの制御
コマンドは、Load Balancer Serverのオブジェクト・インスタンスとまったく同じです。
Load Balancer Clientは、Metrics Clientとも呼ばれています。
13.6.9 監視機能
イベントは、OEMコンソールのイベント管理画面にリストされます。これらのイベントは、OEMで登録または登録解除することによって、オンまたはオフにできます。イベントが作成されてOEMに登録されると、OEMはイベントが発生したときに、システム管理者に通知するか、回復処理を実行できます。
次のイベントを登録できます。
- リスナー停止 このイベントは、リスナー回復処理ありまたはなしでスケジュールできます。リスナー回復処理は、このイベントが発生したときにListenerを再起動するために使用できます。Listenerがダウンした場合は、イベント・ログにエントリが書き込まれます。このエントリは、OEMコンソールから表示できます。
注意:
回復処理は、回復処理を使用するイベントをスケジュールする前にスケジュールする必要があります。
- Load Balancer Server停止 リスナー停止と同様です。このイベントは、Load Balancer Server 回復処理ありまたはなしでスケジュールできます。
- Load Balancer Client停止 Load Balancer Server停止と同様です。このイベントは、Load Balancer Client回復処理ありまたはなしでスケジュールできます。
- ランタイム・プロセスによる過度のCPU使用 ランタイム・プロセスがCPU時間を消費しすぎると、システム管理者に通知されます。このイベントは、X秒ごとにチェックされます。時間間隔を設定します。アラート基準値、警告基準値および発生回数を選択できます。
- ランタイム・プロセスによる過度の仮想メモリー使用 ランタイム・プロセスによって消費されている仮想メモリーが一定量を超えると、システム管理者に通知されます。このイベントは、過度のCPU使用イベントと同様です。次のパラメータを設定できます。イベント間隔、警告基準値(KB単位の仮想メモリー)、アラート基準値(KB単位の仮想メモリー)および発生回数の各パラメータ。